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皆さま あんにょんはせよ~♪ 昨晩放送された、MBCラジオのドキュメント番組。
ボゴミがナレーションした、番組の詳細が判明しました^^
【和訳】パクボゴム×MBCラジオ「ユンドンジュ詩人」
ドキュメンタリー番組「星を歌う心で」(11/1放送)
昨日リアタイされた方も多いと思うのですが…
番組終了後、すぐに YouTubeでも公開されていつでも聞けるようになりました♡

今日は この番組の詳細から ご紹介します(〃▽〃)ポッ
パクボゴムナレーション「ユン·ドンジュドキュメンタリー 」
「星を歌う心で」 | MBC 251101放送
昨晩。放送終了後に、ボゴミが公式Xでリポストしたのは…

事務所が投稿した こちら♡
[📹] [AUDIO ONLY] 한일수교 60주년 특집 윤동주 다큐멘터리 ‘별을 노래하는 마음으로’ | MBC 251101 방송
🔗 https://t.co/cy5ctOYKXO#PARKBOGUM #박보검#THEBLACKLABEL #더블랙레이블 pic.twitter.com/oDGpnNzhn1
— THEBLACKLABEL (@THEBLACKLABEL) November 1, 2025
[ビデオ] [音声オンリー]
韓日国交正常化60周年特集
ユン·ドンジュドキュメンタリー 「星を歌う心で」 | MBC 251101放送
ということで ボゴミ&事務所がお知らせしてくれた♡
MBCの公式YouTubeから。実際の音声と、ボゴミのナレーションの内容をご紹介します。
MBCラジオ公式YouTube「韓日国交正常化60周年特集 ユン·ドンジュドキュメンタリー 「星を歌う心で」 | MBC 251101放送
※上の映像がうまく表示されていないときは こちらから飛んでください。
全部で約50分もある番組だったので、まずは、ボゴミトークのダイジェストから。
パクボゴムギャラリーさんが 大事なところをまとめて下さったので、その和訳からご紹介します。
ユンドンジュ詩人は、1917年から1945年にかけて活躍した朝鮮(韓国)の国民的詩人です。日本に留学中(立教大学、同志社大学に留学)、民族運動を扇動した容疑で治安維持法違反で逮捕され、1945年2月に福岡刑務所で獄死。代表作には詩集『空と風と星と詩』などがあり、自然や人生についての詩で多くの人々に愛されています。
詳細はウイキへ>> ユンドンジュリンク先はこちら

※今回の番組は、以下の主旨で制作された番組です。
ユン・ドンジュの没後80年、韓日国交正常化60周年を迎え、
韓国と日本の両国で記憶されるユン・ドンジュの「昨日」と「今日」をあらためて辿り、
未来へ進む道を探っていく。ユン・ドンジュの人生と詩、そして現代を生きる韓日両国の人々の物語を通して、未来へ向かって進む力が「連帯」と「調和」にあることを確かめる。詳細は昨日の投稿で>> ここから飛べます
パクボゴムギャラリー投稿「パク・ボゴム・ナレーション版、まとめてみた」
ㅇㅇ(118.235) 2025.11.02 00:26:56

ヌサンドン9番地。
84年前、
あなたが暮らしていたという下宿の道の上に立っています。
23歳のあなたが忙しく歩いたであろうこの通りと、
何度も見上げたであろう井戸のような空。
それはあなたの井戸であり、
あなたの想いであり、
そして“青い良心”であったその空の下で、
私たちはそれぞれの方法で、あなたを思います。
ここ、この場所で。
そして海を越えた日本のある学校で。
2025年の秋、
詩人ユン・ドンジュを記憶する人々の心を込めて、
あなたへこの手紙を送ります。
韓日国交正常化60周年特集
ユン・ドンジュ・ドキュメンタリー
『星を歌う心で』
まもなく始まります。
第1章 愛
六畳の部屋、他人の国・日本。
その中でも――
東京都豊島区、西池袋に位置する立教大学。
あなたが歩いたこのキャンパスに、
いま雨が降っています。
冬になると巨大なクリスマスツリーとなる二本の杉の木には、
電飾の代わりに雨のしずくがきらめいています。
そしてその前を通り過ぎる人々が集まってきます。
皆、あなたの好きな詩を一篇ずつ手に持って。
今日は――
あなたの詩碑が建つ日です。
立教大学14号館の西側。
あなたが行き来したキャンパスの道のほとりに建てられた
「容易に書かれた詩」。
しかし題名とは裏腹に、
あなたの詩も、
この詩碑も、
容易に書けたものではなかったことを、
私たちは知っています。
あなたが在学していた延世大学、
そして立教大学の学生たちが共に上演した詩劇
「ごめんね、ドンジュ」。
ここに集まった人々は、
この詩劇を通して、
それぞれの“錆びついた鏡”をもう一度見つめ直します。
その錆びた懺悔録には、
どんな想いが書かれているのでしょうか。
あなたの痛みを記憶するからこそ、
その責任をより重く受けとめる人々。
星ひとつに
想い出と、愛と、寂しさを結びつけたあなたを、
ここにいる私たちは記憶しています。
月が明るく、
雲が流れ、
空が広がり、
青い風が吹く、
秋のあった井戸。
その井戸の中のひとりの男を、
ずっと昔から、
追憶のように見つめ続けてきた
私たちの時代の文人たちの物語もあります。
あなたがいない場所で、
私たちはあなたの話をします。
あなたの詩を口ずさみ、
あなたの言葉を反芻します。
そしてふと――
気になります。
私たちが愛したあなたは、
何を愛していたのでしょうか。
生きているあいだに、
あなたは願い続けた祖国に出会えず、
書いているあいだに、
一冊の詩集も刊行できなかった。
詩人ユン・ドンジュ。
いま、
少しだけ変わったこの世界を、
白い封筒に入れて、
あなたに送りたいと思います。
すると――
あなたはどんな返事をくれるでしょうか。
文字も書かず、
封筒いっぱいに
これほどの愛を込めてくれるかもしれません。
韓日国交正常化60周年特集
ユン・ドンジュ・ドキュメンタリー
『星を歌う心で』
「風に揺れる葉にも苦しかった」
あなたを思います。
どんな“恥”が
あなたをそれほどまでに苦しめたのでしょうか。
あなたの“恥”を読みながら、
私たちは、
自分の中の“恥”を覗き込みます。
あなたの叫びに、
私たちは自分自身を振り返ります。
恥じるべきなのに恥を知らない人々と、
恥じる必要のない姿を自分に隠す人々。
私たちは――
どちらの側に立っているのでしょうか。
“一点の恥”が集まり線となり、
線が重なり面となると、
心の中にひとつの部屋が生まれます。
声を上げるべきときに沈黙し、
立ち上がるべきときに動けなかった私は、
その部屋の中で身をすくめています。
詩が容易に書けることも、
名前も、懺悔も、
そして空が青いことさえも
恥ずかしいと語ったあなた。
あなたの詩を読みながら、
私たちはその繊細な心で、
反省の鏡を磨いてみます。
(第2章はボゴミがトークしていない模様=省略)
第3章 握手
「容易に書かれた詩」の最後の一節に、
あなたはこう書きました。
私は私に小さな手を差し出し、
涙と慰めで握る、最初の握手。
私が私と握手し、和解するその手と、
あなたと手を取り合い、連帯するその同行。
あなたの“握手”の中に、
私たちは進むべき未来を見出します。
あなたの詩が語りかける物語。
作家キム・エランは詩「病院」で、
私たちの出発点を見出し、
詩人パク・ジュンは詩「八福」で、
あなたが行間に埋めた想いを読み取ります。
解放から80年の歳月。
私たちはずいぶん遠くまで歩いてきました。
そのあいだ、苦しみは問いを残しました。
あなたに負った借りは、
私たちの宿題となりました。
立教大学での詩碑除幕式も、
終わりに近づいています。
そして――
詩人ユン・ドンジュを中心に集まった彼らも、
それぞれの人生へと散っていくでしょう。
家へ帰る道の途中で、
私は自分に問いかけるはずです。
「これから、どう生きていけばいいのか。」
生きるあいだ、
私たちは幾度も試練に出会い、
幾度も絶望し、
何千回も泣き、
何万回も自分を嫌いになるでしょう。
だからこそ――
世界が孤独に感じられるときもあるでしょう。
けれど、そのたびに、
あなたの人生が教えてくれたように、
“愛”と“恥”と“握手”を
思い出します。
それでも――
与えられた道を歩かなければ。
あなたの詩のように、
一歩一歩、踏みしめて歩いていきます。
星を歌う心で――
そうやって。
あなたが行ったあの国へ、
この手紙が届くことを願いながら。
2025年 秋
パク・ボゴムより。
以下コメント
ㅇㅇ(223.38) 最初の部分からもう涙出たㅠㅠㅠ まとめ最高 11.02 00:29:13
ㅇㅇ(221.158) 今日の秋の夜にしっかり書かれた手紙を受け取った気分。
パク・ボゴムがナレーションしてくれてありがとう:11.02 00:29:13ㅇㅇ(211.234) ああㅠㅠㅠㅠㅠ:11.02 00:31:56
ㅇㅇ(211.234) ㅠㅠ 本当に良い :11.02 00:46:34ㅇㅇ(118.235) おお、感謝ㅋㅋ:11.02 00:47:04
ㅇㅇ(118.235) 本当に良いㅠㅠㅠㅠ ぬくもりが感じられる:11.02 00:59:21ㅇㅇ(118.235) まとめ最高:11.02 01:03:11
ㅇㅇ(121.168) わぁこれ書き起こししたんだね、最高:11.02 01:18:00ㅇㅇ(220.125) わぁ、まとめありがとう 本当に良い:11.02 01:52:17
ㅇㅇ(49.167) まとめ最高、めっちゃ良いㅠㅠㅠㅠㅠ:11.02 02:21:57
ㅇㅇ(112.169) 最高、本当に良い:11.02 07:40:40
ㅇㅇ(118.235) マジで最高、まとめ最高:11.02 07:44:14ㅇㅇ(59.5) とても良い、福が来るよㅠㅠ:11.02 08:36:55
ㅇすごく良い、家族よ、まとめ最高時間:11.02 08:37:10ㅇㅇ(118.235) ただただ感動、まとめ最高:11.02 09:04:20
ㅇㅇ(118.235) マジで最高、まとめ最高:11.02 09:15:39
ㅇㅇ(218.49) わぁ、すごい よく見させてもらうね:11.02 09:20:51
あれだけ長い番組の「要点」を ほんとに簡潔にまとめてくれていて…
ほんとに大感謝でした😢
ボゴミの声で聴く 優しい声のナレーション。ほんとにステキでしたネ♡
ボゴミが最後に 話したこの部分。
あなたが行ったあの国へ、
この手紙が届くことを願いながら。2025年 秋
パク・ボゴムより
この「あの国」って、日本のことですもん…😢
そりゃ~番組の内容を全部、知りたいわ と思って… Youtubeを調べてみたら。
全文ハングルで文字起こしが可能だったので…

全文和訳してみました… (約50分あるので びっくりするくらい長いんだけど)
読んでみたいという皆様で、下記の点が問題ない皆さまは 下に進んでください。
そうではないかたは ここでストップしてくださいね(^-^;
番組の内容和訳の全文を「読む前の注意点」
①とにかく長いです。いろいろな方が登場するので、どの部分をどなたが話してるのか?までは厳密には訳せてません。(なんとなく ここがボゴミ?というのはわかります)
②かつて韓国を日本が植民地にしたことで起こった悲劇=ユンドンジュ詩人の獄中死はもちろん、この間ずっと問題になってきた「慰安婦」の話も出てきます。
あまりに長い間、未解決のまま進んできた問題なので、韓国の方が抱き続ける複雑な思いと同様に、日本の一般国民にとっても、この問題は「容易に触れられない」=「複雑な思いを抱く課題」になってしまった部分があると思います。とくに、2019年ごろの「日韓の最悪の状態」でファン活動の難しさを経験したボゴペンの皆さまは、当時のことを思い出すと、さらに複雑な気持ちになる方もいらっしゃるかもしれません😢
今回の番組内に少し出てくる「慰安婦問題」の話は、現在も「(政府間合意とは別として感情面での)問題が解決されていない」ということが改めて出て来るのですが…それでも、お互いを理解して前に進もうというのが、この番組の主旨だと思います。
というわけで、くどいんですが(^-^;
「解決されていない複雑な話も出てきます」
それを読むのが問題ない方だけ 下に進んでくださいますようよろしくお願いします。
ということで ひとまず ここで区切ります。ここまでご覧くださりありがとうございましたww
May your everyday be a good day
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全50分の内容和訳「韓日国交正常化60周年特集 ユン·ドンジュドキュメンタリー 「星を歌う心で」 | MBC 251101放送
※以下は、YouTubeの文字起こし機能からの翻訳です。
可能な方は 再生しながら読むとわかりやすいかもしれません。
韓日国交正常化60周年特集
ユン·ドンジュドキュメンタリー 星を歌う気持ちで
0:05
ヌサンドン9番地。84年前、あなたが滞在していたという下宿。0:11
私はその道の上に立っています。
23歳のあなたが忙しそうに歩いたであろう道、
何度も見上げたであろう井戸のような空。0:29
それはあなたの井戸であり、
あなたの想いであり、
そして青い良心だったその空の下で――0:38
私たちはそれぞれの方法であなたを思います。0:43
ここ、この場所で、
そして海を越えた日本のある学校で。0:49
2025年の秋――
詩人ユン・ドンジュを記憶する人々の心を込めて、
あなたにこの手紙を送ります。1:02
(音楽)1:10
韓日国交正常化60周年特別企画
ユン・ドンジュ ドキュメンタリー1:16
「星をうたう心で」――まもなく始まります。1:23
(音楽)1:41
昼も夜も一人。1:53
ユン・ドンジュ先生。
まもなく2025年トランスナショナル・シネマ・シンポジウム
「ユン・ドンジュ ― 帰ってくる」公開シンポジウムを始めます。2:05
(音楽)2:11
第一章 愛。2:17
六畳一間、他国・日本――
その中でも東京都中心部、西池袋にある
立教大学。2:24
あなたが歩いたそのキャンパスに、今、雨が降っています。2:30
冬になると巨大なクリスマスツリーとなる
二本の杉の木には、
電球の代わりに雨のしずくがきらめいています。2:36
そしてその前を通り、人々が集まってきます。
それぞれが、あなたの好きな詩を一篇ずつ手にして。2:44
今日は、あなたの詩碑が建てられる日です。2:51
――こんにちは。
私は (立教)大学の“前学長”です。2:57
立教大学の立場から見ると、
ユン・ドンジュは本校に在籍していた学生です。3:04
ユン・ドンジュが書き残した詩はかなり多いですが、
その中で日本で書かれたものは断片的にしか残っていません。3:17
そしてその詩がどんな紙に書かれていたかというと、
「Rikkyo University」とローマ字で書かれ、
立教の象徴である白百合の紋章が刻まれた
立教大学の原稿用紙だったそうです。3:29
ユン・ドンジュが立教在学中にどんな思いを抱き、
何を感じていたのかを、
現代の学生たちが知るきっかけになるように――
記念碑を建てようと考えました。3:42
今回建立されるユン・ドンジュ記念碑には、
延世大学に残っている彼の直筆の詩をそのまま刻みました。3:48
その詩に込められたユン・ドンジュの心を思うと、
涙がこぼれそうになります。4:02
(音楽)4:10
立教大学14号館の西側――
あなたが行き来したキャンパスの通りに建てられた「容易に書かれた詩」。
しかし、その題名とは裏腹に、
あなたの詩も、そしてこの詩碑も、
「容易に書かれた」ものではなかったことを、私たちは知っています。4:30
私はイ・ヒャンジンと申します。
立教大学異文化コミュニケーション学部で
映像文化とメディア研究を担当しています。4:37
実際、あの小船をあなたが漕いだ方向に進める(※)というのは、
決して容易なことではなかったでしょう。※小舟=ユンドンジュがめざした場所へいくための小舟という意味。
多くの人が辛い過去を忘れたがるものですが――
4:50
しかし私たちの大学の先生方は、
忘れまいと努力しておられます。4:57
先生だけでなく、私たちの学科に所属する事務職員や
同僚たちも非常に強く支えてくれたので、
これは皆で成し遂げたことです。5:02
ただ、私の教え子たち、学部の学生たちが
「先生、どうして私たちの大学には何もないんですか?
何かしなくていいんでしょうか?」
と問いかけ始めたことから、
ぶつかり合い、叱られ、少しずつ譲り合い、挑戦して――
そうして始まった取り組みでした。5:25
私が在学中に、募金という形で多くの方々の支援を受けながらも
建立には至らなかったことが心残りでした。5:33
しかし、今回ようやく建立に至ったことを
心からうれしく思います。5:39
建立を決断してくださったことに、
立教の卒業生としても安堵を感じています。5:48
こんにちは。
私は詩を書き、評論もしているキム・ウンギョと申します。
ユン・ドンジュ詩人を研究しています。5:55
7〜8年前だったでしょうか、いや20年前だったか、
福岡大学から講演を頼まれました。6:01
そこではアジア文学部の学生が多く、
学生だけでなく市民の方々も参加してくださって、
150名、いや200名近くの方々で大講堂がいっぱいになったんです。6:19
講演が終わったあと、一人のおばあさんが私の手を握って、
ほとんど泣きながら言いました。6:25
「私たちは、朝鮮の若い青年を殺してしまったのです」と――
まるで自分の罪を告白するように。6:31
その言葉を聞いて、私は大きな衝撃を受けました。6:38
「私はユン・ドンジュではない。
ユン・ドンジュのように清らかでもない。
それでも――」6:43
“なぜ人は、人に対して、
こんなことができるのか?”7:02
(音楽)7:13
青く錆びた銅鏡の中に、
私の顔が映っているのは――7:32
どの王朝の遺物ゆえに、
いまだ辱められているのだろうか。7:43
(音楽)7:49
あなたが在籍していた延世大学、
そして立教大学の学生たちが共に演じた
詩劇『「미안해요, 동주」(ミアネヨ・ドンジュ/「ごめんね、ドンジュ」)』※詩劇「미아요 동주(ミアネヨ ドンジュ)」は、延世大学と立教大学の学生が
尹東柱(ユンドンジュ)を題材に共同で制作・上演した作品。7:55
この場に集まった人々は、その詩劇を通して、
それぞれの「青い鏡」をもう一度見つめ直しています。8:01
彼らの錆びついた鏡面には、
どんな想いが映っているのでしょうか。8:08
私はチョン・ウィギョンと申します。
延世大学理事長であり、現在は中央大学の歴史学科教授を務めています。8:15
私は日本軍の「慰安婦」問題の運動だけでなく、
さまざまな市民運動を続けてきました。8:22
そのなかで、実に多くの立派な日本の市民たちと出会いました。8:29
植民地支配や戦争犯罪を批判することは当然ですが、
それとは別に、日本社会の中にも、
自らの過ちを反省し、
日本政府を批判し、
右翼と闘ってきた多くの人々がいます。8:47
30年以上ものあいだ、自らの体と心、
そして財産までも捧げて活動してきた人々です。9:00
私たちは一人の大切な学生――
ユン・ドンジュという学生を守ることができませんでした。9:05
しかし、それはユン・ドンジュだけのことではありません。
日本の立教の学生も、ほかの都市の学生も、
「学徒動員」という名のもとに戦場へと送られました。9:20
ユン・ドンジュを含め、
大切な学生たちを守れなかった大学としての責任は、
非常に重いものです。9:26
そのような歴史と反省を踏まえ、
二度と同じ時代をつくらないために、
若い世代が「正義」「生命の尊厳」「平和」を確実に担っていけるよう――9:39
教育することこそ、
私たちが今回ユン・ドンジュを記念する理由です。9:46
こんにちは、小説家のコン・ジヨンです。9:52
最初に『愛のあとに来るものたち』という作品を
日本の作家と共同執筆した際、
私がユン・ドンジュ詩人を推薦しました。9:57
するとその方が、私よりももっと
ユン・ドンジュ詩人のファンになってしまったんです。10:03
どうしてこの方が?
日本の人々にそんなに響くのか――
そう考えてみたとき、10:09
植民地で犠牲となった若者が、
世界中の植民地で抵抗した若者たちのように、
銃を取ったわけでもなく…10:21
銃を取ることもなく、
目を血走らせることもなく、10:26
穏やかな瞳で「空と風と星と詩」を愛した――
その矛盾するような衝撃、ありますよね。10:32
私は、それが日本の人々にも伝わったのだと思います。10:39
同じ「人間」であることが、
とても申し訳なく感じられる――
あなたの痛みを覚えているからこそ、
その責任をより重く受けとめる人たち。10:47
星ひとつ分の思い出と、
愛と、寂しさを私たちに託してくれたあなたを、
この場所で私たちは今も覚えています。11:02
ユン・ドンジュ詩人の『序詩』の一節。
「死ぬ日まで空を仰ぎ 一点の恥もないように」
星ひとつが思い出であり、星ひとつが愛である。11:09
彼を、日帝強占期(日本植民地時代)に
独立のために尽くした詩人として知っています。11:15
詩「自画像(자화상)」の一節は正確に覚えていませんが、
井戸に映る自分の姿を見て嫌悪し、
いったん離れたあと、また恋しくなって戻っていく――
そんな詩だったと思います。11:27
とても痛ましく、
けれど心に深く刻まれる記憶です。11:37
(音楽)11:45
月が明るく、雲が流れ、空が広がり、
青い風が吹き、秋のあった井戸。11:52
その井戸の中を、
長いあいだ思い出のように覗き込んできた
私たちの時代の文人たちの物語があります。12:04
こんにちは、小説家ソン・ナです。12:10
私は高校2年生のときに中国へ留学しました。
そのときユン・ドンジュの生家を訪ね、
帰国後に同級生たちと彼の詩を読み、
小さな朗読会を開きました。12:23
ユン・ドンジュの詩を読むと、
本当に善良で純粋な人だったと感じます。12:29
彼の詩には、時代の暗さを描いたものもありますが、
私は特に**童詩(子どものための詩)**が好きです。12:41
「春」や「陽の光」といった詩を読むと、
心がとてもすがすがしく、温かくなります。12:48
こんにちは、詩人のパク・ジュンです。12:54
私の考えでは、ユン・ドンジュ詩人は――
手紙を書いても送らない人だったのではないかと思います。12:59
言葉というものは、相手に届かなくても、
ただ一人で書き留めるだけで
その役目を果たすことがあるからです。13:05
彼の作品もそう。
時間という埃にしばらく覆われて、
後に払いのけたとき、
そのまま長く残る――そんな詩です。13:19
誰かは部屋にこもり、
誰かは隠れながら革命を夢見、挫折し、
その挫折を他者と分かち合う。13:26
そうした支える形の革命もまた、
必要なのだと思います。13:31
ユン・ドンジュは、
最も暗い場所で、最も明るい現実を思い描いた革命家でした。13:38
こんにちは、小説家のキム・ヘランです。13:44
文学どころか、母国語そのものを守ることすら難しかった時代に、
ただ 母国語を守るだけでなく、
それで文学をしようとした――
それはとても能動的な行為でした。13:57
ユン・ドンジュは、自分自身を見つめ、
時代を見つめながらも、
「詩の高潔さ」を決して手放さなかった作家です。14:10
彼は、暴力的な世界の中でも、
人間から決して奪えない何かがあることを
教えてくれました。14:15
その存在自体が、
直接的な抵抗を超えた「何か」を残した人だと思います。14:33
「日が経つほど、笑顔は私にけちになる。
八月の意地悪な空のように――
ため息は胸の傷あとになり、
涙をしまう場所もない。」14:53
星ひとつの思い出と、
星ひとつの愛と、
星ひとつの寂しさと、
星ひとつの憧れと、
星ひとつの詩と、
星ひとつの母。15:10
(音楽)15:18
あなたがいない場所で、
私たちはあなたの物語を語ります。15:26
あなたの詩を、繰り返し心に刻みながら。15:33
そしてふと、思うのです――
私たちが愛したあなたは、
何を愛していたのだろう?15:41
そうですね。ユン・ドンジュという人は、
少数者――マイノリティを愛した人です。15:47
彼の詩には、病者や子ども、弱者、女性、労働者など、
「周りにいる人々」が多く登場します。15:58
「太陽の顔(해바라기의 얼굴)」にも、
「鐘(종시)」にも労働者が描かれます。16:05
彼自身、辺境出身の人でした。
平壌でも、北京でもなく、
延吉近くの小さな村出身。16:13
だからこそ、社会の中心ではなく、
周りにいる人々――弱き者たちを思っていました。16:18
ユン・ドンジュが愛したその“九つのもの”が
どんな国でも生かされるなら、
その社会は本当に素晴らしいものになるでしょう。16:27
(音楽)16:34
〈手紙 ユン・ドンジュ〉16:41
姉さん、今年の冬も雪がたくさん降りました。16:48
この封筒に雪をひとつかみ入れて、
文字も書かず、切手も貼らず、
そのまま手紙を送ってもいいでしょうか。16:56
あなたが行った国には、
雪が降らないと聞いたので――。17:11
愛はいつも、
思うようにはならず、17:25
心もまた、
言葉のようにはならなかった。17:37
(音楽)17:42
――生きることが容易ではなかった時代。17:48
生きている間、願った祖国に会うことはできず、
詩を書き続けながらも、
自らの詩集を出版することのなかった詩人、ユン・ドンジュ。17:55
いま私たちは、少しだけ変わった世界を、
白い封筒に詰めて、あなたに送りたいと思います。18:01
もし届いたなら――
あなたはどんな返事をくださるでしょうか。18:09
文字はなくても、
封筒いっぱいの愛を、
この手に返してくださるかもしれません。18:15
(音楽)18:24
韓日国交正常化60周年特別企画
ユン・ドンジュ・ドキュメンタリー
『星を歌う心で』18:37
私たちは、日本が過去に犯した過ちによって犠牲になったすべての人々――
特に詩人ユン・ドンジュを記憶します。18:43
ユン・ドンジュが立教大学で学んだことを
この大学の歴史に永遠に刻み、
彼が残した正義の詩から、
歴史への正しい認識と深い反省を学びます。19:01
私は学生時代からユン・ドンジュの詩がとても好きで、
彼の詩を通して韓国語を勉強しました。19:07
ユン・ドンジュの『序詩(서시)』には
「하늘(空)」という言葉に“神”の意味が含まれており、
「一片の恥もないように」というのは、
恥をかかないという意味ではなく、
良心に恥じないという意味なのだそうです。19:26
第2章 「恥」(音楽)
19:33
“口に当たる風も苦しかった”というあなたを思います。19:38
どんな「恥」が、あなたをそこまで苦しめたのでしょうか。19:43
あなたの“恥”を読むとき、
私たちは自分の中の“恥”を覗き込みます。19:52
映画『ドンジュ』を演出した、監督イ・ジュンです。19:57
“恥を感じる”というのは、
自分に対して正直であるとき、
最も深く、最初に感じる感情ではないでしょうか。20:03
ユン・ドンジュの詩にある“恥”というのは、
まるで私たちの“恥”を代わりに恥じてくれているような感覚を与えます。20:12
もちろん時代は違いますが、
今の私はこの時代に生きながら、
自分の“恥”に正直であるかどうかを問い直しています。20:18
けれど、私はまだ臆病で、
それほど正直に生きられていません。20:24
だから詩を読むたび、
自分がますます“恥ずかしく”なるんです。20:31
おそらく、ドンジュにとっての“恥”とは、
“恥を知らない人々”への抵抗だったのではないでしょうか。20:45
なぜ人々は、恥を感じないのだ――
そう叫びたかったのだと思います。20:50
けれど、自分自身を深く見つめたとき、
自らの“恥”の大きさに圧倒されたのかもしれません。20:59
彼の“恥”は、
“恥を知らぬ者たちへの叫び”だったのではないでしょうか。21:03
あなたのその叫びに、
私たちは自分自身を振り返ります。21:08
“恥じるべきなのに恥を知らぬ人々”と、
“恥じる必要のない姿を自分に隠す人々”。21:20
私たちは――そのどちら側にいるのでしょうか。21:28
私は全国障がい者差別撤廃連合の
共同代表、パク・ギョンソクです。21:35
私は24歳のとき、海兵隊を終えて、
元気に遊ぶことこそ、人生の楽しみだと思っていました。21:42
ところが1983年、慶州・統岩山でハングライダーをしていて墜落し、
下半身がまひしました。21:48
その後、5年間、家の中にこもりきりになりました。21:54
自分の体がこうなったことへの恥ずかしさ、
みじめさ、
そして“役に立たない人間”として見られる痛み――22:01
誰かに負担をかけ続けるという感情。
それが5年間、ずっと続きました。22:06
でも、それを少しずつ克服し、
外に出るようになってからも――22:13
家のエレベーターに乗ったとき、
子どもが母親に聞きました。
「お母さん、あの人なんで車いすに乗ってるの?」22:19
すると母親は、
「お母さんの言うことを聞かないからこうなるのよ」と言いました。22:32
“親の言うことを聞かないと、ああなる”――
そんな偏見が世の中にはたくさんあります。22:38
だから、私はずっと家に閉じこもっていました。22:46
外に出て自分の姿をさらすこと――
それは本当に、最も難しいことです。22:53
それが私にとって一番の壁でした。22:59
(場面転換)性暴力の被害者たちが声を上げられなかったのも、
韓国社会が非常に家父長的で、
特に女性の性に対して保守的で抑圧的だったからです。23:04
被害者であるにもかかわらず、
自らを恥じなければならない――
そんな社会だったのです。23:12
それでもキム・ハクスン(慰安婦被害者)ハルモニの勇気に感動し、
ほかの被害者たち――韓国国内だけでなく、
海外にいる人たちも勇気を得て立ち上がりました。23:24
つまり、“恥”というものは、
本質的には社会的なものなのです。23:31
社会には“何が正常で、何が正しいか”という規範があり、
それは多くの場合、
権力や富を持つ人たちが決めてきました。23:54
しかし1980年代後半、韓国が民主化へと進む中で、
市民社会が成長し、
「恥じるべきは被害者ではなく、
加害者――すなわち権力や国家である」
という認識が広がりました。24:13
その理解を共有する人々が力を合わせ、
法律も制度も変えていきました。24:19
それでも今なお、名を明かさない被害者の方々がいます。24:24
私は、それが彼女たちのせいだとは思いません。24:29
むしろ、その周囲の人たち――
母親や祖母が受けた経験を理解できず、
“恥ずかしいから隠したい”と感じてしまう人たちの方に、
問題があるのだと思います。24:47
知られたくなかったことが他人に知られたとき、
その瞬間に“恥”の感情が生まれる。24:59
友人たちの前で視線を感じる、
それが“恥ずかしさ”の感情です。25:07
たとえば3日前に告白した相手から返事をもらったとき――
ちょっと気まずくて、
照れくさい。25:15
私の場合、まだ人に名刺を渡せるような職業を持っていないので、
自分に胸を張れない感覚があります。25:22
何かを計画しても、それを先延ばしにしたとき、
本来くちにするべき言葉、書くべき文、
行うべきことを実行できないとき――25:42
そんなとき、自分の勇気のなさが恥ずかしくなります。25:49
“一点の恥”が線となり、
その線が面となり、
心の中にひとつの部屋ができる。25:57
声を上げるべきときに沈黙し、
立ち上がるべきときに動けなかった私が、
その部屋の中で身をすくめています。26:13
ユン・ドンジュが生きた時代、
あるいはその時代を描いた人々を評価した
『親日人名辞典』(民族問題研究所編)という本があります。26:28
その序文にはこう書かれています。この辞典に掲載された人物を断罪するためだけに作られたのではない。
また、名が載らなかったからといって、
決して免罪符が与えられたわけでもなく、
汚辱の歴史から解放されたことを意味するものでもない。26:56
つまり、名が載らなかったとしても、
その時代を共に通過した者としての感情がある。27:03
そして、その感情がユン・ドンジュの中では
より強い磁場として働いた。
だからこそ、彼の“恥”は増幅されたのだ――
私はそう考えています。27:16
社会の抑圧や権力の暴力に抗えず、
傍観する者が感じる羞恥――
それこそが本当の“恥”だと思います。27:28
ユン・ドンジュをはじめ、ペク・ソクやキム・スヨンのような
当時の詩人たちが繰り返し感じていたのも、
まさにこの“恥”でした。27:35
けれど今の社会では、その感覚が
かなり薄れ、鈍化してしまったように思います。27:41
むしろ「図太くなれ」と
迫る社会になってしまった気がします。(音楽)
27:47
“恥じる必要のないことに恥を感じる”――
その被害者の心は、
“恥を知らぬ社会”が生み出したものです。28:01
他人を簡単に憎み、
自らの正当性を主張する人々は、
決して“恥”を感じません。28:06
けれど、他人の状況を少しでも理解しようとし、
自分のあり方に“嫌悪”を覚えたとき――
そこにこそ本当の“恥”と“申し訳なさ”が生まれるのだと思います。28:20
憎しみではなく、
相手をもう少し温かく見つめる社会になってほしい。
そう願います。28:32
詩が容易に書けることも、
名前も、懺悔も――
そして、空が青いことさえも、
“恥ずかしい”と言ったあなた。28:43
あなたの詩を読みながら、
私たちはその繊細な心で
“反省の鏡”を磨いてみます。28:54
そうした感情を持ってこそ、人は成長するのだと思います。29:01
“恥”を感じられないと、
人はあまりにも自己中心的になってしまう。29:07
少しでも“恥”を知ることで、
社会の中で謙虚になれる気がします。29:13
“恥”の感情がなければ、
人は自分が正しいと思い込み、
傲慢になり、
さらに大きな過ちを犯すでしょう。29:19
恥を知らなければ、
失敗しても「当然だ」と言ってしまう。29:27
でも、恥じる心があれば、
自らを省みて、よりよく直していける。29:34
どんなに正しい理念でも、
自己点検や反省、疑いがなければ、
政治的にも宗教的にも、
それはスローガンとなり、
意図せず暴力に加担する言葉になりかねません。29:48
だからこそ、“恥”という感情は、
自己確信よりもはるかに難しく、
繊細な感情なのです。29:53
(音楽)29:59
懺悔――(音楽)30:08
夜という夜ごとに、
私の鏡を手のひらで、
足の裏で拭いてみよう。30:15
すると、ある隕石の下を
ひとり歩いていく悲しい人の後ろ姿が、
鏡の中に現れてくる。30:24
(音楽)30:37
(音楽)30:44
私は詩人ユン・ドンジュの弟、
コ・ユンイルジュ教授の長男、ユン・インソクです。
伯父は結婚せず子もなかったため、私が遺族を代表しています。30:58
この碑に刻まれた詩と案内文を読むすべての方々が、
伯父の志と、詩碑を建ててくださった方々の願いを
共に感じてくださることを望みます。31:10
清く平和な世界をつくる出発点となり、
若い世代へとよく伝わることを祈ります。31:16
第3章 握手31:22
(音楽)31:33
『容易に書かれた詩』の最後の一節を、あなたはこう記しました。31:38
「私は私に小さな手を差し出し、
涙と慰めで握る最初の握手。31:46
私が私をつかんで和解する握手、
そして私があなたと手を取り連帯する同行。」31:54
あなたの握手に、私たちは進むべき未来を見出します。32:02
結局、個人と個人が大切だと思う心で出会うことこそ
未来へ進む道で、
世の中を変えるのは、平凡な人々の温かな心なのだ――という話です。32:15
表面上は、扇動し主張する人の方が
世の中を変えるように見えるだけで、32:21
むしろ平凡な日常を続けながら、
確固たる心で一人ひとりが集まり、
運動し、より良い世界のために、
他者を非難するよりも
自分が努力する人々が集まって、世の中を変えるのです。32:33
今、ユン・ドンジュはそのことを語っているのです。32:40
“愛”の語源は「支える(괴다)」だと言います。
“괴다”とは、傾いたり倒れたりしないよう相手を支え、
何かを捧げるという意味を持ちます。32:51
愛とは、私はその“支え”の過程だと思います。32:59
私も相手も倒れないよう支え合い、
互いに互いに寄りかかって進んでいく――
それが私にとっての愛であり、支えであり、包容です。33:06
連帯は本質だと考えます。33:14
私は障がい者ですが、
「知的・発達障がい者」への差別と苦痛を
よく知りませんでした。33:19
私は教育を特別な困難なく受けました。
勉強はできなかったが、
学校に行けず差別されたわけではない――
それは私の問題ではありませんでした。33:25
しかし振り返ると、教育を受けられなかった重度障がい者がいました。
彼らと共にあるということ自体を、私は“連帯”だと考えました。33:37
私は障がい者で、男性です。
障がいの問題を語りながらも、家では
とても家父長的な振る舞いをしてしまうこともある。33:50
性少数者の問題も同じです。
幼い頃は本当に“悪いこと”だと思っていました。33:55
しかし、その過程の中で、互いの違いを確かめつつも、
それでもなお互いの存在を語り、諦めない――
その過程こそが“連帯”の過程ではないでしょうか。34:06
今、私たちはとても孤立し、無力さを覚え、
それゆえに孤独です。34:12
学生がこう言ったことがあります。
「一日中、自分が話す相手はチャットボットだけだ」と。34:18
気楽に対話できる相手がそういう存在になってしまった――
これはとても悲しい現実です。34:24
だからこそ、私たちは皆、弱い存在であり、
だからこそ他の弱い存在と手を取り合わねばなりません。34:36
そうすることで、私たちは生きていけるという希望を、
他者の支えと連帯の感情から
また取り戻すことができるのです。34:49
私たちはその経験をしてきました。
これは韓国社会の大きな力だと思います。34:55
いま個としては弱くても、
他の“弱いあなた・君”と手をつなぐことで“私たち”になる――
その経験です。35:02
その経験を忘れず、いつでも辛ければ手を差し出し、
辛そうな人には手を差し伸べる――
そんな社会になってほしい。35:15
そうなれると、私は信じています。
(音楽)35:26
あなたの詩が聞かせてくれる物語。35:32
キム・ヘラン作家は『病院』という詩の中に私たちの出発点を見ました。35:38
誰もが“弱さ”を持ち、
いつでも“少数性”を持ちうる。35:44
国家・世代・階級・ジェンダー――
自分の座標によって“少数性”はいつでも変わりうるし、35:51
自分もまた、ある程度は
権力の世界に片足を踏み入れ、関わっていることを
意識し、見つめること――35:58
そこから始めるべきだと思います。36:04
ユン・ドンジュが『病院』という詩で表現したように、
誰かが先に横たわり去っていったその場所に、
自分の身を重ねてみること。36:11
詩人パク・ジュンは『詩八福』で、あなたが埋めておいた行間を読みます。36:19
「悲しむ者は幸いである、
彼らは永遠に慰められるであろう」36:26
“悲しむ者に福がある”――
これは私だけの限られた話ではありません。36:32
なぜ“悲しむ者”が幸いなのか。
それは、自分自身の悲しみのために悲しめ
ということではありません。36:37
あなたの悲しみのために、他者の悲しみのために、
顔も名前も知らない誰かの悲しみのために、36:49
あるいは約100年前、
この地で生きた人々が経験した出来事のために
彼らのことを悲しむ――36:57
そうしたことが、私たちに“福”をもたらすのだ――
私はそう見ています。37:03
(音楽)37:10
(街頭インタビュー※日本・韓国の方が答えています)
「食べるのが好きです。スンデやNCTが大好きでした。
1年間ソウルに留学していて、本当に楽しかったです。37:15
韓国語を学びたいと思ったきっかけは『ギャグコンサート』で……
(局名は)MBCって言いづらいですね(笑)。37:27
日本ではハローキティが好きです。
大学生の頃は村上春樹や吉本ばななを読んでいました。37:33
私は『鬼滅の刃』のような作品も好きで、
造園学科なので枯山水を見るのも……」37:41
「歴史意識は誰もが正しく持つべきだと思います。
文化交流では、一緒に進めることがまだまだ多いので、37:52
双方で一層考えていく必要があるでしょう」37:58
解放から過ぎた歳月80年。
私たちはかなり長い道のりを歩み、
その間に苦痛や問いを残しました。38:10
あなた(ユンドンジュ)に負っている借りは、
私たちの宿題となりました。38:15
かつては生きるのに必死で、
他のことに気を配る余裕はなく、
“私”に集中していました。38:21
少し余裕が生まれて“あなた”“私たち”へと広がり、38:29
今は“私たち”の概念も拡張され、
それが動物や気候にまでつながっています。38:35
人間にとどまらず、概念が外へ広がったのは、
その根に、先行世代の作家たちの
問題意識があったからだと思います。38:48
「地下鉄のエレベーターは90%以上整備されました。
大きく良くなりました。変化しました。38:55
でも、こんな問いがあります。
“昔より随分良くなったか? なぜだ?”
と、私たちはよく叱られます。39:01
韓国は6・25(朝鮮戦争)の頃より今の方が良くないと言えるでしょうか。
1960年代よりずっと変わりました。変化は相対的です。39:08
目標は“そこそこ”でよい、という自分の目標は持てても、
もっと大事なのは“過程”だと思います。39:13
今、私たちは何をするのか――それが目標なのです」39:20
「この国がこれほど確かに立つことができたのは、
今も昔も堂々たる偉大な“庶民”がいたからだと思います。39:26
韓国文学がノーベル文学賞に近づき、
韓国映画がカンヌで賞を取れるのも、39:33
すべて植民地時代の人々のおかげであり、
また今も鉄塔の上で、地下鉄で、街頭で
闘い続ける人々のおかげです」39:50
「キム・ボクドン(慰安婦被害者)ハルモニは存命の頃、
“今死んでも未練はない”とおっしゃいました。39:55
理由は、自分の話を聞き、理解してくれる
多くの人がいるから。40:02
だから心がとても穏やかだ、と。
日本政府からの賠償や謝罪の問題は、
“あとはあなたたちが続けてほしい”とおっしゃいました。40:15
その意味では、日本政府から受けた被害は
解決しないままかもしれませんが、40:23
それでも、彼女たちと手を取り合った
国内の善良で正義ある市民が存在することを知って
旅立たれました。40:28
その意味では、私たちはある程度、
やるべきことをやってきたとも言えます。40:35
しかし、彼女たちが私たちに託した“約束”、
“責任の履行”という問題においては、
今も私たちの肩は重いのです」40:52
「死ぬ日まで空を仰ぎ 一点の恥もないように。40:59
世の中の風にも、私は苦しんだ。41:05
星を歌う心で、
すべて死にゆくものを愛そう」41:16
(詩/拍手)41:23
「こんにちは。今回『미안해요 동주(ミアネヨ・ドンジュ)』の
脚本構成と演出を務めたイ・ユンチョルです。41:30
僅かでも両国の未来志向の種となることを願って。」41:37
「こんにちは。俳優イ・デヨンです。
今日は立教大学のユン・ドンジュ詩碑建立を記念して
『ミアネヨ・ドンジュ』という詩劇を上演しました。41:50
詩そのものがとても美しく抒情的で、永遠性を感じさせる詩で、
この美しい立教のキャンパスで上演でき、
より意義深かったです。」42:02
「今回の詩劇でコーラスとして参加した、
立教大学異文化コミュニケーション学部2年、
足立豊陽(あだち・とよはる)です。42:08
練習後も親しくなれる打ち上げがあって、
一緒に演劇を作っただけでなく、
良い友人もできました」42:19
「今回は『ミアネヨ・ドンジュ』でユン・ドンジュ役を務めた、
延世大学のクォン・デイルです。42:25
ユン・ドンジュ詩人を中心に、言語の壁はありましたが、
皆が一つの心で一生懸命に取り組めたと思います。」42:31
立教大学の除幕式も終盤へ向かいます。
記念碑の祝福式を執り行います。42:45
「ユン・ドンジュの記念碑を祝福します。
どうかこの記念碑を、立教の“平和の礎”とし、42:52
私たちが過去の歴史から目を背けず、
すべての戦争と暴力に目を開き、声を上げ、42:57
あなたの“平和の器”となる記念としてください。」43:10
この行事を共に進めた二人の学生がいます。
同じ大学に通い、親しくなった二人にとって、
あなたの詩碑はどんな意味でしょうか。43:22
「立教大学異文化コミュニケーション学部4年、チョン・ジミンです。」43:27
「同学部4年、工藤ユキノです」43:33
「日本人として立教大に通う間、ユン・ドンジュの詩について
知ったり考えたりする機会がほとんどなかったと感じていました。43:39
今回の建立が、ユン・ドンジュ詩人の歴史や
立教大学との関係を知るきっかけになればと思います。」43:54
「歴史を学んでいます。
今、互いについて正確に知っていくことが大切だと思います。44:00
誤って認識していることでも、
その事実を共有することが重要ではないでしょうか。44:05
文化を通じ、こうした行事を通じて
続けてコミュニケーションしていくことが
これからは大事だと思います。」44:21
「ユン・ドンジュの詩を愛し、
その生を痛ましく思い、
その時代をより深く理解しようとする瞬間、44:29
今この時代をより近く知ることができ、
今、隣にいる大切な誰かを
よりはっきり知ることができる。44:35
その人と、とても長い道を共に歩む――
それが人生でしょう。44:44
28年の生の痕跡が、80年をへて、
今日、私たちはその人について語り、
連帯しています。44:57
最も遠くにいる人の心までも
自分の内に抱くことができれば、45:04
身近な人の些細な失敗や欠点があっても、
それほど心を痛めず、
むしろ包み込める――それが“連帯”でしょう。」45:25
やがて、ユン・ドンジュという詩人を中心に集った人々は、
それぞれの生活へと散っていきます。45:30
そして家路で、自分に問うでしょう。
これから、どう生きていくべきか。45:43
生きている間、私たちは幾多の峠に出会い、
無数の絶望を感じ、45:50
何千回も泣いて、
何万回も自分を嫌いになるかもしれません。45:56
だから、世界が孤独に感じられることもあるでしょう。46:01
そのたびに、あなたの生が教えてくれたとおり――
“愛”と“恥”と“握手”を、思い出します。46:13
与えられた道を行く――あなたの詩のように、
一歩一歩、歩いてみます。46:19
星を歌う心で、そうやって――(音楽)46:28
あなたが行かれたあの国に、
この手紙が届くことを願いながら。
2025年秋 パク・ボゴム より47:09
韓日国交正常化60周年特別企画
ユン・ドンジュ・ドキュメンタリー『星を歌う心で』47:17
――これまで(ナレーション)ナムユジョン、オ・スンフン
日本現地協力 イ・ヒャンジン/キム・ジヨン
通訳協力 チョン・ジウォン、キム・テホ
韓国市民インタビュー ミン・ジャヨン
アートワーク パク・ジョンウ
企画 ナム・テジョン
構成 イ・ユン…47:40
取材・演出 チョ・ミンギョン、キム・スジョン
そして――ナレーションは私、パク・ボゴムでした。47:47
ありがとうございました。
終わり
ここまでご覧くださりありがとうございましたww























